
ほっとくらぶの会員であり、脳性麻痺のお子さんを在宅介護されている方の手記を掲載します。
現在私たち夫婦と長男、夫の母の4人暮らしです。車で20分の所に私の母が独居しており、どちらの母も米寿を迎え益々元気ですが、通院や外出には私が付き添っています。
私たち夫婦には、3人の子どもがいます。長女、次女、長男です。長女と次女はすでに結婚して新しい家庭を築いています。長男は現在26才ですが、脳性麻痺のため、自分の意思で身体を動かすことがまったくできません。
長男は健常で生まれてきて2才で異常が出現し、病院に通い入院生活が長くなり一時は4才まで生きられればと医者から言われたこともありました。毎日「今日を乗り切れば」という思いで過ごしてきています。
長男は食事を口から食べることはできず、胃にチューブを入れてそこからミキサー食や高栄養剤を入れています。1日の食事の時間を決めて、朝5時から高栄養剤を90分ほどかけて器械で注入するのです。本当はミキサー食にしたくても家族の朝食準備などがあるため栄養剤にしています。
昼食と夕食は家族が食べているものとほぼ同じものをミキサーにかけてマヨネーズ状にして5分毎に太いシリンジで注入を繰り返して40分くらいかけて注入しています。そのためゆっくり落ち着いて家族とともに食事することは望めませんが、家族と同じものをミキサー食で食べられるのはうれしいことです。

最近は成長とともに骨の変形や骨格の変形、内臓機能低下などが目立ち始めています。
18才くらいまでは座位をとれていましたが、成長に伴って二次障害も起こり、今はほぼ一日ベットで過ごしています。体圧が一か所にかからぬよう2~3時間で、変形が進行しないようにスポンジや枕などを駆使して体位変換するようにしています。夜間も目覚ましをかけて、同じようにできるよう心掛けています。
現在は鼻に呼吸の補助のためにバイパップという機器を装着し、排尿のために膀胱留置のチューブがついています。また時々予兆なく痙攣発作を起こし、呼吸を抑制させることもあるので、呼吸が苦しくなるとアラームで知らせてくれるよう、サチュレーションモニターを指に常につけています。アラーム音が鳴ると何をしていても駆けつけられるようにしています。
現在、週3回は障がい者支援のデイサービスに通っています。送迎サービスが無いため往復1時間かかりますが、長男が帰宅するまでが唯一、私が自由に動ける時間です。この時間を利用して母達の通院の付き添いや溜まった用事を済ませています。