
皆さんは「小児在宅介護」をご存じでしょうか。文字通り在宅で児童を介護することです。実はそのようなお子さんとご家庭が増えているのです。
増加する在宅介護児童

小児医療技術が進歩し、多くの子どもたちが元気に生活できるようになりました。その反面、医療機器と医療ケアに頼らなければ生きていけない子どもたちが増えてきています。
正確な統計はないのですが、自分では歩けない、自分では話せないような子どもたちを「重症心身障がい児」と言い、そのような子どもたちは全国で4万人くらいいると言われています。さらにその中で医療ケアがないと生きていけない子どもは、2万人くらいいると言われています。
ところが、慢性的な新生児集中治療室の不足、小児基幹病院の病床不足などにより、自宅でお子さんを医療ケアしながら介護するご家庭が増えているのが実情です。
重症心身障がい児(者)とは
重症心身障がい児(者)とは、医学的には、元東京都立療育センター院長大島一良博士により考案された下記の分類で、1~4(濃いオレンジ部分)に該当する方を指します。薄いオレンジ部分の5~9は周辺児と呼ばれ、絶えず医学的な管理下に置く必要がある者、障がいの程度が進行的と思われる者、合併症がある者とされています。
